仮想通貨のマイニングとは、いったい何のことでしょうか。この記事では、マイニングの基本的な仕組みや、一般人がマイニングをするための方法、マイニングができない仮想通貨などについて解説しています。
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この記事の内容
仮想通貨の中核となる技術、ブロックチェーンとは?
ビットコインやイーサリアム、ビットコインキャッシュなどの仮想通貨は、ブロックチェーンというデータ記録法が採用されています。
ブロックチェーンの世界では、最初から現在に至るまでの全ての取引が、世界中に点在する複数の端末にそれぞれ記録されています。中央の管理コンピューターのようなものはなく、各ユーザーのパソコンなどに記録されているのです。
そして、そこに新しい取引があれば、記録はどんどん蓄積されていきます。この記録される情報が本当に正しいかを、複数の参加者で確認する作業を行うことで、仮想通貨の正当性を保ちます。ここでは多数決をイメージしていただくと良いと思います。
この確認作業が終わって、一定期間の取引のデータが一つにまとめられたものが、すなわちブロックとなります。
一番最初にブロックチェーンの計算を解いたらご褒美
この確認の作業はコンピュータを使った計算にて行われ、一番最初に複雑な計算を成功させた人のみが、計算をした仮想通貨を報酬として受け取れることになっています。
この報酬を狙って、パソコンで計算作業に参加することがすわわちマイニングです。ビットコインなら、10分に1回ブロックが作られ、この計算を一番最初に成功させた人が12.5BTCを得ます(2020年の6月頃に、この報酬が半分になります)。
ビットコインの対円レートが80万円だとして、12.5BTCは100万円になります。これが10分間に1回、1日に144回、誰かに与えられるわけですから、世界中の企業がこれを狙ってマイニングの世界に参入しているのが現状というわけです。
一般人がマイニングをするためには?
実質的にはマイニングプールに参加するしかない
まだ誰もビットコインに注目していなかった2010年前後ならともかく、現在では個人のパソコンが、それなりに有名な仮想通貨のブロックチェーン接続に必要な計算を、一番最初に解く可能性は極めてゼロに近いです。数学的な可能性がないとはいいませんが、おそらく一生に一度も一番になることはないでしょう。なぜなら、仮想通貨のマイニングは儲かるからです。儲かるからこそ、世界中の企業が大量のマシンを動かして、その競争に参加しています。個人のパソコンではとても彼らに太刀打ちできないのです。
それなら僕らはどうすればいいのか。一人一人は非力でも、みんなで力を合わせて計算力を一つにすれば、計算勝負に参戦できるのです。これがマイニングプールと呼ばれる仕組みです。マイニングプールでは、参加者全員の計算パワーを合計して計算力勝負に参入し、持ち寄った計算量に応じて、獲得したマイニング報酬を分配します(その際に少しの手数料を徴収します)。
実質的に、個人のパソコンでも、この仕組みに乗れば計算力なりに報酬を得ることができます。
GPUを使う
さて、マイニングにはどのようなパソコンを使えば良いのでしょうか。現在主流なのは、GPUと呼ばれるパーツを使うやり方です。GPUとは、グラフィックボード、ビデオカードと呼ばれる、パソコン上に絵を描くための計算装置です。
このGPUは並列の処理が得意なので、ブロックチェーンをつなぐキーを探すための暗号解読との相性が抜群です。逆にCPUと呼ばれる、どのパソコンにも必ず搭載されている脳みそ的な役割をこなす部分は、この暗号解読が苦手です。できないこともありませんが、GPUの方がはるかに効率が良いです。
そして、このGPUをたくさん揃えるほど計算力が確保できて、採掘報酬がたくさんもらえる、というのがマイニングの基本的な仕組みです。よって、1台のパソコンに大量にGPUを接続sるうn
専用機材を使う
GPUを使わないマイニングの方法もあります。ASICと呼ばれる専用の機材などを使う方法です。仮想通貨の中には、暗号が単純なので、それ専用の機材が開発されてしまうものがあります。その代表格がビットコインで、専用のマイニングマシンであるASICが必須。通常のGPUでは採掘できません。
マイニングできない仮想通貨もある
新規発行されないリップルはマイニング不可
すでに述べた通り、ブロックチェーンを完成させるための承認作業に参加することがマイニングであり、その報酬として仮想通貨が与えられます。ということは、仮想通貨の新規発行があるからマイニングが成り立つともいえます。
仮想通貨時価総額で上位につけているリップル(XRP)は、すでにこの段階ですべてのコインが発行されており、新規の発行はされません。つまりマイニングによる報酬がありません。
POWとPOSのこと
新規発行される仮想通貨でも、マイニングができないものもあります。
仮想通貨の基本的なシステムのうち、現在主流となっているのはPOW(proof of work)で、直訳すると仕事量の証明。仕事をした量、つまりマイニングの計算量により評価される仕組みになっているもので、ビットコインなど多くの仮想通貨がこのスタイルです。
それに対してPOS(proof of stake)という考え方では、仕事量ではなくステークス、つまり資産量や資産保有期間などにより評価される仕組み。簡単にいうと、お金持ちほど偉いという考え方です。こう聞くとひどい仕組みにも思えますが、そのコインをたくさん持っている人ほど、そのコインの評価が下がるようなことはしないだろう、という考え方が根底にあります。
どちらが良いかは別として、POSではマイニングによる報酬が得られない、あるいは得られてもPOWほどは評価されない仕組みなので、仮想通貨のマイニングを頑張っていこうという人にとっては、POSはメリットのないシステムといえます。
有名どころでは、イーサリアム(ETH)が、近い将来にPOWからPOSに移行することが表明されています。
本業は雑誌編集者、ライター。仮想通貨のマイニング、パソコン構築にとりつかれた哀れな中年男性。もともとは売れないバンドマンで、今は芸能プロダクションも経営しています。高円寺在住で、東京ヴェルディのサポーター。お肉とお酒が大好き。