マイニングリグを構築したら、それを動かすためのOS(基本ソフト)が必要です。分かりやすいのはWindowsなのですが、Linuxというコマンド入力を基本にした渋いOSで作られたethOS(イーサリアムオーエス)を使う手もあります。
こちらの記事では、WindowsとethOSを比較し、それぞれのメリットやデメリットを考えていきます。
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この記事の内容
ethOSのメリット
1.GPUを9枚以上接続できる
私が思う最大のメリットはこれ。
現在はB250 MINING EXPERTのように、GPUを10枚以上接続できるマザーボードが登場していますが、Windows10がOSの場合には最大でも8枚までしかGPUを認識しません(差し込んでも認めてくれない)。なお、Windows7なら最大4枚です。
そのため、一つのリグにできるだけたくさんのGPUをつないで大量にマイニングするためには、ethOSを使うことが効率的です。
実際のところ、Windows10で何枚でもGPUを認識するなら、たぶんずっとWindows10でやっていたと思います。
2.動作が安定しており、強制再起動はほぼない
マイニング専用に設計されているため、非常に動作が安定します。一度設定がちゃんと決まれば、停電でも起きない限り動作が停止することはほとんどありません。
また、Windowsにはいろいろなアップデートが発生することで、パソコンが強制で再起動されることがよくあります。こうなるとマイニングが止まってしまうのですが、ethOSならその心配はありません。
3.余計な機能が少ない
コマンド主体、英語とまったく使いやすくないのですが、それでも僕のような英語ダメな人がなんとか使えるのは、いらない機能がないからかもしれません。完全にマイニング専用のOSです。
4.消費電力が少ない
余計な機能がないことと連動しますが、マイニング以外の機能がないため、必然的に同じ作業でもWindowsより消費電力は少なくなります。
5.採掘効率が良い
こちらも余計な機能がないことと関連しますが、パソコンの全パワーをマイニングに注げるため、同じGPU、同じ設定でも、ethOSの方が少しハッシュレートが出ると言われています。
6.SSDやHDDがいらない
ethOSは構成がシンプルなので、8GB程度のUSBメモリに全てが収まり動作します。つまりディスクドライブがいりません。この部分がコストカットにつながります。
ethOSのデメリット
1.設定や操作が難しい
こればかりはしかたありません。ethOSはほとんどの命令がコマンドによって行われます。例えば「r」と一文字打ってEnterを押すと再起動されます。
また英語のみで日本語はなし。GPUのオーバークロック設定も、自分で数値設定を入力しないとできません。
慣れれば何とかなるレベルだとは思いますが、決して簡単ではありません。
2.導入も難しい
英語の販売サイトでethOSの中身を買い、それを自分のパソコンに落とし、起動用USBを作るという作業が必要です。
3.便利なソフトが使えない
NiceHash、MinerGate、AFTERBURNERといった、非常に便利なソフトが使えません。特にNiceHashやMinerGateのような採掘ソフトは、とても便利で分かりやすいので、使えないのは痛いですね。
どんな人に向いている?
GPUを9枚以上動かしたい人
一番の動機でしょう。自分もこの理由です。マイニングファームが肥大化していくと、どうしてもGPU認識数の壁にブチ当たります。
より効率を追求したい人
採掘効率を最大にするには、ethOSをフルチューンするのが一番の近道のはず。NiceHashは手数料高いですしね。
報酬がビットコインでなくてもいい人
NiceHashの特徴の一つが、最終的にビットコインで採掘報酬が支払われること。ビットコインにこだわりがあるなら、ASICを使うか、NiceHashを使うかになります。ここが別にどちらでもいいなら、ethOSもいいと思いますよ。
今後はethOSの導入方法や設定についても解説していきます。
本業は雑誌編集者、ライター。仮想通貨のマイニング、パソコン構築にとりつかれた哀れな中年男性。もともとは売れないバンドマンで、今は芸能プロダクションも経営しています。高円寺在住で、東京ヴェルディのサポーター。お肉とお酒が大好き。